歳を重ねた、と実感する瞬間が増えた。
気づけば、あの場所でイベントを終了してから十年が経つ。
新東京サーキット。
そしてPW。
十年間、同じ場所で、同じ仲間と、同じエンジン音を響かせてきた。
あれは、ただの走行会ではなかった。
場所を借り、人を集め、段取りを組み、スポンサーを探し、トラブルに対処し、最後まで安全に終える。
一回一回が、本気だった。
十年間続けられたということは、
十年間、信頼されていたということだ。
サーキット側の理解。
スタッフの協力。
参加者のマナー。
そして、裏で支えてくれた人たちの存在。
イベントは、主催者一人では成立しない。
場所があって、
受け入れてくれる運営があって、
集まってくれる仲間がいて、
初めて成立する。
それを十年、続けさせてもらった。
それだけで、十分すぎる。
最後の開催から、もう十年が経った。
時間は残酷だ。
あれほど「次はいつ走る?」と考えていたのに、
今は、正直なところ――
“そこまで強く走りたいと思わなくなっている自分”がいる。
情熱が消えたわけではない。
ただ、あの頃のような焦りや渇望がない。
それは衰えなのか。
成熟なのか。
自分でもよく分からない。
「もう一度ぐらい走って終わる?」
そんな考えが、ふと頭をよぎる。
区切りとして。
けじめとして。
あるいは、自分の確認として。
だが同時に思う。
終わらせるために走るのか?
それとも、まだ何か残っているのか?
走る理由が「未練」なら、違う。
走る理由が「感謝」なら、ありかもしれない。
新東京サーキット。
PW。
あの場所があったから、
あの時間があったから、
今の自分がある。
イベントを通じて出会った人。
交わした握手。
最後のチェッカー。
どれも、人生の一部になっている。
もう大きなイベントをやることはないかもしれない。
あの規模で集まることもないかもしれない。
それでも、感謝は変わらない。
走らなくても、
もうイベントをやらなくても、
あの十年間は消えない。
もし、もう一度走るなら――
それは記録のためではなく、
勝負のためでもなく、
「ありがとう」を言うためだろう。
新東京サーキット and PW に、
心から感謝を。
執筆:編集部


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