新日本プロレスの世界は、リング上の華やかな闘いだけでは成り立ちません。
そこには試合を成立させるための裏方の仕組みが存在し、時にその役割は“陰の主役”とも言える重みを持ちます。その代表例が「ポリスマン」と「バヴァンサー」です。
外国人初来日や若手の“力試し役”となったレスラー
新日本プロレスの歴史を振り返ると、初来日した外国人レスラーや、ステップアップを狙う若手が必ずぶつかる“壁”が存在しました。
- 藤原喜明:格闘色の強いスタイルで、新顔外国人を容赦なく“査定”。
- 木村健吾:強烈な稲妻レッグラリアットと重厚な体躯で、外人の力量を測るバロメーター。
- 新倉史祐:試合運びが堅実で、評価役として度々登場。


さらに、山本小鉄さん・星野勘太郎さん・木戸修さん・平田淳嗣ことスーパー・ストロング・マシンらも、時代ごとに「力試し役」として機能しました。
リングの表舞台で“壁”を演じる彼らは、言うなれば試合の中のポリスマンでもあったのです。
「ポリスマン」と「バヴァンサー」の違い
では本来の「ポリスマン」とは何か。
これは新日本プロレス独特の呼称で、リングサイド警備役を指します。場外乱闘が頻発した80年代の新日では、観客席への突入や乱闘を収める存在が必要不可欠でした。その任務を担ったのが、レスラー出身の“ポリスマン”たちです。
対して「バヴァンサー」は、リング外の日常を管理する役割。特に来日外国人レスラーの世話・行動監督を意味しました。
バヴァンサーの代表格=ミスター高橋

「バヴァンサー」を語る上で避けて通れないのが、レフェリー ミスター高橋(高橋輝雄) です。
高橋氏は表向きには「外国人担当レフェリー」でしたが、実態は以下の通り。
- 空港での出迎え、ホテル・ジムの手配
- ギャラや移動日程の調整
- 酒席や遊興の付き添い、トラブルが起きた際の仲裁
- 会社(新日本)への報告・評価
つまり、試合の裁定以上に“外国人レスラーの監督官”として機能していたわけです。これこそが「バヴァンサー」と呼ばれる所以でした。
対比整理
- ポリスマン:リングサイドで秩序維持(観客・レスラーの衝突防止)。
- バヴァンサー(=ミスター高橋):リング外で外国人レスラーを管理(生活面・行動面の監督)。
表で暴れる外人を押さえるのがポリスマン。
裏で外人を制御するのがバヴァンサー。
両輪が揃って初めて、新日本プロレスの興行は成立していたのです。
プロレスの華やかな一夜の興奮の裏には、こうした“見えない役割”が確かに存在していました。
リングに立つレスラーだけでなく、ポリスマンとバヴァンサー。彼らこそが、新日本を支えたもう一つの力だったのです。
今はだれでしょうか?


コメント